patisserie&boulangerie mukai

故郷の伊勢市にあるのどかな住宅街で、地域の幅広い世代にパンと製菓を提供しています。店主の向井さんはフランスのお店での修業。その経験から「フランスのパンを身近に感じてもらう」をコンセプトに、生地そのものの味わいを楽しめるシンプルなパン作りを心がけています。材料選びにおいては産地よりも、おいしいかどうかと質の良さを重視。もちろん、できる限り余計なものを入れないように気を配ることも忘れてはいません。

フランス仕込みのパンを身近に感じて

はじめまして、patisserie&boulangerie mukaiです。故郷にお店をかまえ、一人で切り盛りしています。伊勢市と聞くと、神社や自然に囲まれているイメージがあるかもしれませんが、僕のお店があるのは、近くに川が流れるのどかな住宅街。そんな地域柄でしょうか、小さなお子さんから年配の方まで、幅広い世代に来てもらっています。 僕は元々、製菓の製造に携わっていまして、旅行で訪れたフランスの街の雰囲気にひかれ、フランスのカフェで製菓とパンのつくり方を勉強しました。そこで、学んだブリオッシュとクロワッサンのレシピは今も提供しています。そうそう、お店の由来について。フランスでは「patisserie&boulangerie」に店主の名字をつけることが多いので、それにならっています。でも、「何をつくっているか」にとらわれず、シンプルに「向井さん」と名字を屋号として呼んでもらえるくらい地域で愛されるお店になりたいと思っています。 こういった経験と思いから、「フランスのパンを身近に感じてもらう」を掲げ、シンプルなパンづくりを心がけています。やっぱり、パンはおいしいことが一番だと思うんです。だから、生産地よりも、そのパンが最もおいしくなることを意識して材料を選んでいます。もちろん、できる限り余計なものは入れないようにしていますし、材料は質がよく、口にすることに不安を覚えないようなものを選んでいます。 「うちの子が、ここのパンを食べたがっているから来ました」と言って来てくれるご家族の言葉にはとてもうれしくなりますね。子どもは材料とか、その産地とか、そういったことに先入観を持たずに感想を言ってくれるので。僕自身が本当においしいと思えるものを目指してつくっているので、当店のパンを通じて皆さんにフランスのパンのおいしさが伝われば幸いです。 語り手：向井　佑樹