散歩日和

300年以上の歴史と伝統を誇る岸和田だんじり祭で知られる、大阪・岸和田市にあるパン屋さん。国産小麦を使った食パンやハード系パン、野菜たっぷりのタルティーヌなど、パン好きが高じてパン屋になった店主のこだわりが詰まったバラエティ豊かなパンが並びます。対面販売の明るい接客は、地元の人にも人気。土日は不定期で地域のイベントに出店しています。

散歩ついでに買いに行きたい「前向きになれるパン」

だんじり祭で有名な大阪・岸和田市にある「散歩日和」（さんぽびより）の藤森です。昔から食べることが好きで、おいしいパンを求めてパン屋さんめぐりをしたり、自宅でパンづくりを楽しんだりしていましたが、「お店ではどうやってつくっているんだろう？」と思いパン屋さんで働くことに。いくつかのベーカリーで働いた後、2019年に自分のお店をオープンしました。外観は元々黄色かったので、そこに好きな紺色をプラス。内装はあえてレトロな雰囲気に仕上げてもらい、古いねじ巻き式の柱時計やフランスのヴィンテージ家具など、お気に入りのものを置いています。そんな私がつくるのは、「大人も子どもも安心して食べられるパン」。できるだけ国産小麦を使い、余計なものは入れません。18時間ほどかけて、低温でじっくりと発酵させるのもポイント。それによって小麦のうま味と甘味が引きだされ、日本人が好きなもちっとした食感に仕上がるんです。当店おすすめの「食パン」は、北海道産小麦を使用してつくりました。国民食である食パンの小麦のおいしさがわかりやすく伝わると思い、水分量や味のバランスを工夫して完成させました。パンの食べ歩きやさまざまなお店で働いた経験の中で見つけた「本当においしいパン」をたくさんの人に知ってもらいたいと思い、日々パンを焼いています。大切な時間に食べて、前向きな気持ちになってもらえたら。もし近くにいらっしゃる機会があったら、「今日は天気がいいから、ちょっとパンを買いに行ってみるか」くらい軽い気持ちでぶらりと立ち寄っていただけたらうれしいです。語り手：作り手　藤森 佳代